2016.01.04
今、転職したら2年後に失業する?求人サイトが教えるNO転職のポイント
こんにちは、ラクジョブの平田です。今年もよろしくお願い致します。年明け一発目から求人サイトとは思えない記事ですが、まあ聞いて下さい。本日は「そんなに簡単に転職して良いのか」という問題についてお話しいたします。
求人サイトとしては皆さんがどしどしご応募頂くのはとても嬉しいことです。しかし、その中にはたまに「ラクジョブを使って一度転職したが、そこからまた転職するためにラクジョブを使っている」という方もいらっしゃいます。そんな時「私達は最適な転職先をご案内できなかったのではないか?」という一種の後悔がスタッフ全員の心に去来します。本来であれば転職は少なければ少ないほど良いもの。その理由についてはこの後お話ししてゆきますが、同時に「安易な転職は危ない」という事についてもお伝えいたしましょう。
まずこちらのグラフをご覧下さい。
今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業報告書(平成26年度厚生労働省委託事業)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000089556.html
こちらは「有効求人数」「有効求人倍率」という指標の推移を表したものです。「有効求人数」とは、どれだけの求人数が世の中にあるか。「有効求人倍率」とは、職を求めている人1人あたりにつきどれだけの求人があるかをそれぞれ表しています。式で表せば「有効求人倍率=有効求人数÷求職者」ですね。この「有効求人倍率」が1を切ると「1人あたりが得られる求人は1以下」という事になり、求職者が全員仕事を得られない可能性が高くなります。このデータは2014年のものまでしか出ていませんが、2013年時点で既に有効求人倍率は1を切っていました。一番低くなっていたのはリーマンショック直後の2009年。およそ0.4近くにまで落ち込んでいます。しかし実は2002年にも同じように0.4ほどまで落ち込んでいた時期があります。逆に2006〜07年は高く、倍率は1以上になっています。
このデータを見るだけでも、有効求人倍率および有効求人数は一定の間隔を保って上がったり下がったりしているという流れを見ることができると思います。ざっくばらんに読めば、大体7年ごと周期といったところでしょうか。求人の数やニーズは、必ずしも上がりっぱなしになることも無ければ、ずっと下がり続けることもありません。大体同じくらいの所を行ったり来たりします。そのため「景気が良い!」「求人が多くて引く手あまただ!」という状況は、少しすればまた「景気が悪い」「求人が全く無い」という状況に陥ります。「2009年はリーマンショックがあったからイレギュラーなのでは?」と思うかも知れませんが、こちらをご覧下さい。
全国企業倒産状況(東京商工リサーチ)
こちらはここ20年近くの企業倒産数の推移です。これを見ると2009年の倒産件数は、他の年と比べて異様なほど多い、という訳ではありません。逆に21世紀が始まったばかりの2000年頃の方が倒産数は多いにも関わらず、先ほどのグラフを見ると有効求人倍率は2009年とあまり変わらない事がわかります。2008〜09年は負債総額も大きいですが、これも2000年頃よりまだ少ないのです。
こうして全体的なデータを参照し「7年ごとに求人が足りなくなる」と考えた場合、有効求人倍率が急激に減ったのが2009年・・・2010年から回復を始めたと考えてそこから7年、と考えると、大体2016〜2017年にはまた求人が減ってしまう可能性があります。早くも最新の調査では「非正社員数の不足感」についてのアンケートで半分近い企業が「特に不足感は無い」という回答をしているため、特に最初から正社員での採用が少ないアニメゲーム漫画業界では採用が減ってくる可能性があります。
厚生労働省 今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業報告書より
さて、このように、安易に「転職をしようか」と考えても、活動する時期を考えないままでは少ない候補の中から選ぶことになってしまうだけでなく、いくら活動しても採用されない、という状況に陥ってしまいます。仮に採用されたとしても「現場のレベルの非正社員人材」だった場合は、戦力外通告をされてしまう可能性もあります。もしあなたが今正社員として働いている場合、下手に転職の事をすぐに考えず、その会社でスキルアップを図るのも一手でしょう。下記のアンケート結果からもわかるように「非正社員から正社員への登用を進める」事に積極的な会社は全体の12.5%しかいないからです。そして、多くの会社は「無回答」・・・つまり、何か新たに始めるという事もほとんど無いからです。
ここまで読んでみて、