2016.03.06
デザイナー募集にイラストレーターが応募するときの対策
「デザイナー」・・・それは広い意味を持つ言葉です。アニメゲーム漫画業界以外で考えても、インテリアデザイナー、プロダクトデザイナー、空間デザイナーからライフデザイナーまで、あまりに種類が多すぎます。そしてアニメゲーム漫画業界で「デザイナー」と言うと、2DCGデザイナー、3DCGデザイナー、モーションデザイナー、イラストレーター、ゲームデザイナー、UIデザイナー、UXデザイナー・・・ざっとこれくらいは思いつきます。そしてこれは逆に、「デザイナー」として人材を募集したときに様々な悲劇を引き起こすきっかけともなり得ます。
例えばこれまで私達は「2DCGデザイナー募集!」と謳った求人記事にイラストレーターが多数応募して、「欲しいのはUIのデザイナーなのに・・・」と肩を落としている人事担当者さんの悩みを聞いたことが何度もあります。逆にイラストレーターを募集しているのに、どちらかというと細かい小物デザインや着色部分が得意な人が来てしまい何ともミスマッチ、という例もありました。実は、自分達が欲しい「デザイナー」を募集するために必要なのは、職種を明記することだけではありません。彼らはそれぞれ「グッとくる記事」が違うのです。
「デザイナー」の募集をすると、最も応募が多いのがイラストレーターです。なぜなら一番志望者が多いからです。ラクジョブ内のイラストレーター志望者は、デザイナー志望者の中で4割を占めています。この「デザイナー」の中には3DCGも含んでいますが、どれほどイラストレーター志望者が多いかおわかりいただけるでしょう。イラストレーターは2012年近辺のソーシャルゲームブームで一気にニーズが高まったため、志望者も同じように増えました。
しかしイラストレーターは基本的にイラストを描く人ですし、意味も広すぎます。そのため応募は多い一方で、イラストレーターのみの募集はリスクも高いのが現状です。募集をかけるのであれば欲しいターゲットの仕事内容についてもっと詳細に見ていく必要があるでしょう。ここからは個々の仕事内容によって最適な募集方法についてお話しします。
世界観を作って欲しい場合
イラストレーターおようで全然イラストレーターではない。むしろそれと一線を画しているという、一番伝わりにくい「デザイナー」です。場合によってはゲームの世界観から導き出されるUI、キャラクターや敵キャラのコンセプト、ゲーム全体のテーマまで決めなければいけない役割です。しかしこれに関して単に「ゲームの全体を作り込めるデザイナー」と募集をかけても、ターゲットとなるような人材は集まりません。これは「デザイナー」の意味が人に寄って広く採られてしまうからです。
会社の中では「世界観を作れる人だよ」という言い方で通じるとしても、求人内容は万人が目を通すものです。人材の応募が多くても9割方が役に立たない人、対象外の人であれば、それは求人記事側に問題があることになります。自社で必要とするデザイナーの必要性や、実際にやってもらいたい仕事、会社の中でのその職業の立ち位置などははっきりしているでしょうか?「最低限できていて欲しいこと」「これくらいのスキルはあって欲しい」ということを、丁寧に言語化して記事にすることが何よりも大切です。「ただのデザイナーではダメです」といった厳しい一言があっても良いでしょう。
UI部分を主に任せたい場合
UIデザイナーはソーシャルゲームの要であり、だからこそソーシャルゲームブームと共に爆発的な数の求人が発生しました。一時期はどの会社に行っても「UIが足りない」の大合唱。当然と言えば当然の話で、運営が続く中も新しいゲームを作り続けていくという状況で、ゲーム作りに必須であるUIデザイナーが足りなくなるのは時間の問題でした。そのピークは2013年くらいでしたが、現在はゲームの打ち切りが早くなったりある程度のテンプレが企業内でできたことによりニーズは以前より減ってはいます。もちろんニーズが0になることはないので、未だにUIデザイナーを探している会社さんは多数ありますが・・・。
さて、そんな中UIデザイナーを確保するために効果的なアピールは自社の雰囲気や環境についての記事を書くことです。多くの人とコンセンサスを取って仕事をすることが普通となっているUIデザイナーは、会社内の雰囲気や開発環境が良いかどうかを重視します。これはどのデザイナーにも言えることですが、大手メーカーでの大量生産に疲れてしまったUIデザイナーは、規模の小さい開発会社でペースを落としつつもきちんと仕事ができる環境に惹かれる傾向が大いにあります。
人材の欲しいものを見極めていますか?
今回はデザイナーという1職種に絞ってお話をしましたが、基本的に求人は「こんな人が欲しい」というだけでなく「こんなことを提供します」といった提案が最も重要です。どうしても前者だけに留まってしまう例が多いのが勿体ないところなのですが、自分達から提供したい、提供できることに注力して記事を作るだけで、注目度も応募率もみるみる増えてゆきます。求人広告の際には私達がそういった記事になるよう心がけて執筆をしていますが、これから自社サイトで募集をする、と言う場合や別の媒体を使われる際には必ず気を付けてください。余計な手間や面倒を増やさないためにも今回の知識を役立てていただければ幸いです。