2016.03.07
企業サイトでフリーランスのクリエイターを集める方法
派遣会社さんから頂いた「よくあるお悩み」
先日、某派遣会社様から悩み相談を頂きました。「仕事は沢山あるのに、派遣人材が集まらない」というものです。これは現在、特にゲームやゲームアプリ制作業界の派遣会社さんはどこも問題にしていることです。仕事はあるが人は足りない!そのためにこの会社さんが試みているのは、自社で見つけてきた案件をほぼ毎日のペースで会社HPにUPするという作業です。金額としても内容としても申し分無い案件が、その会社さんのHPには列挙されているのです。
しかし問題は、このHPから出向出来る人材やフリーランスの方がそう簡単に応募してこない・・・ということでした。せっかく優良案件を掲載しても、ほとんどが最終的には人不足で受けられなくなってしまう。何とも勿体ないけれど、どうにかできないか?というお話でした。
派遣会社さんにも複数ありますが、自社で拾った案件をHPやブログに掲載する会社さんも少なくありません。しかしここに意外な落とし穴が。それは「案件を検索するフリーランスはほとんどいない」ということなのです。今回ご相談を頂いた会社さんの例では毎月
2〜3名からの応募があるということでしたが、案件は毎日1つ以上発生しています。フリーランスの人が業界にほとんどいないわけでも無ければ、派遣会社さんが拾ってくる案件に問題があるわけでもありません。ただ単に、フリーランスの人も出向可能人材の人も「案件があるかどうか検索する」ということをしないだけなのです。例えばGoogleでの検索頻度が分かる「キーワードプランナー」というツールを使うと、図のように「Unity 派遣」という言葉ですら月間30回しか検索されていないことがわかります。「Unity 出向」「Unity フリーランス」に至っては0回。案件の掲載をしても人材が集まりにくい理由がわかったでしょうか?
さて、私達も現在、ビ・ハイアのHPで案件の情報を掲載しています。案件の内容としては多岐にわたり、CGから開発、絵コンテ、キャラクターデザイン、シナリオなど様々です。1つの情報に集中して載っている訳でも無ければ、中には「すぐに来てもらわないとヤバい」という炎上案件もあり、必ずしも毎回良いとは言えません。しかも毎日更新でも無いので、前述の派遣会社様の方が案件ブログとしての質は良い可能性もあります。
しかし実は、弊社のHP宛てに来る案件への問合せは週に4〜5回と頻度が高いのです。弊社はフリーランスの出向・派遣仕事はしていないため、直接案件を持つ企業様にご紹介したり、フリーランスでは対応出来ない場合はお断りしているのですが、何故このようなことが起きるのでしょうか?
いつでもSEOは「他者視点」
このからくりの1つは、私達が発信しているのが案件だけではない、という点にあります。私達の仕事は案件の発信ではなく業界が全体的に発展することなので、求人のノウハウや仕事の選び方、案件をもらうための営業方法についての情報発信の方が多めです。これは単に、HPを閲覧する人がどんな情報を見れば嬉しいと思えるか?に焦点を当てた結果決定した内容です。それが最終的に「業界にいる困っている人」全体に発信する内容となり、そういった何かしらの問題、課題を抱えている人からのアクセスを多くしたのでした。もちろん案件が沢山載っているブログやHPがあることは業界の困っている人達にとってとても役に立ちますが、困っている人はそもそも「案件を検索すれば良いんだ」という発想がありません。困っている人達や、困っている人達に近い業界、お客さんが何を悩んでいるかについて書くだけで、だんだん人は集まってくるのです。
私達もそもそも案件を掲載し始めたのは、SEO的に良い単語が多い方がアクセスが増えるからくらいの気持ちでした。どちらかというとメインはコラムだったのです。コラムで我々の信頼を高めて、サービスなどへの問合せ、交流会の参加に繋がれば良いよね、くらいの気持ちです。結果的にノウハウやコラムを多く載せることで案件への具体的な問合せが増えてゆきました。
どの会社も宝の山だと気づいていないだけ
こんなことができるのは、それでもビ・ハイアが業界全体にサービスを提供している会社だからでは・・・?という意見もあるかもしれません(というか、実際ありました)。しかしそうでしょうか?私達は案件の流れなどに詳しい一方で、詳細な技術についてはほとんど知りません。お客さんからよく聞く話、いただくご質問、日々の仕事の中で気づいた解決方法などについて毎日更新をしているのが実情です。しかし、それらは私達にとっては「常識」ですが、世間にとっては立派な「知識」となるのです。皆さんも本当は私達から見れば発信すべき情報をものすごく持っています。自分達の宝の山に気づく事が、あらゆる仕事のきっかけとなりますよ!