産業地図を塗り替えたい･･･今日思った業界発展by平田悠貴

仕事を最も早く終わらせる方法は何だか知っていますか？私が実行しているのは「ファーストカム、ファーストサーブド」です。兎にも角にも情報量が多くスピードも求められるこの業界、半日以内にメールが返ってこないとお客様から怒られるなんてこともザラです。「ファーストカム、ファーストサーブド」は「来た順にやる」という意味です。何か依頼のメールを見てしまったが最後それをすぐに終わらせる。何かお願いされたらすぐに終わらせる。細かい仕事がたまってこそ、優先順位がわからなくなって混乱が生じるため、私はできる限り「見たらその場で解決」を心がけるようにしています。

今日も沢山のメールを頂きました。通算150通ほどです。案件の紹介希望、日程の調整確認、求人の問い合わせ、求人の他の問い合わせ、資料の作成依頼、営業代行の資料希望、その他色々。。

しかし、それらを見てこなしつつ、ふと感じます。確かに私はこの会社と業界のために働いて7年ほどになりますが、そういえばメールの内容が大きくは変わっていないな･･･と。案件の金額は以前よりも高くなり、ソーシャルゲームの丸請け案件でも1千万規模のものは消え、1億超えが増えてきました。アニメ案件は遊技機、ソシャゲOPなどバリエーションも幅広くなりました。ご依頼のメールを頂く企業様にも大手メーカーが多くなりました。･･･しかし、内容としては殆ど7年前と変わらないのです。

ビ・ハイアが理念として目指しているのは「業界発展」です。この話をすると色々な方から「沢山の会社同士が繋がって、良いコンテンツが生まれるためですね」というようにコメントを頂きます。確かにその側面はあるのですが、私達の思う「発展」とはもうそのレベルではありません。今の状況･･･限られた大手メーカーが長い時間をかけて企画を通し、何とか予算を作って制作会社にコンテンツの制作を依頼し、何だかんだギリギリの予算で最後は徹夜で制作する。7年前からコンテンツの配信方法やプラットフォームは変わっても、働いている人々の悩みや大変さは変わっていません。

私達が目指す「業界発展」は、もっと根本的なものです。例えば現在アニメゲームマンガ業界の市場規模は大体1兆9425億円です（ゲーム1兆1,925億円 アニメ2,500億円 マンガ5,000億円）。就業人口は全体で10〜20万人くらいでしょうか。変わって、製造業は市場規模約300兆円、就業人数は1,040万人です。現在の日本の全事業売上合計は1,360兆円ですが、その内20％以上が製造業によって産み出されているものです。（総務省統計局と経済産業省データによる）

アニメゲームマンガは･･･0.1％です。製造業に代表される基幹産業の自動車産業の市場規模は47兆円ですが、世の中には自動車を持っていない人なんて子供も含めて沢山います（私もそうです）。2011年の段階で20代の免許保有率は63.5％ですが、アニメゲームマンガに一切触れないで育った20代はどれくらいいるでしょうか？

日本に住んでいれば、必ず子供の頃に一度は触れているはずです。これから更にアニメゲームマンガネイティブな子供達が増えて行くであろう中、アニメゲームマンガ業界が目指すべき「発展」とは自動車産業など現在の日本の基幹産業を更に超え、日本全体を支える大きな力となることだと私達は考えています･･･と、思いつつ、今日も作画の良いアニメを観ようっと。

『コンテンツ産業の雇用と人材育成』労働政策研究・研修機構
『ファミ通ゲーム白書2015』エンターブレイン
『日本のアニメを活用した国際観光交流等の拡大による地域活性化調査』国土交通省
『自動車産業の現状』日本自動車工業会
内閣府HP
『産業大分類別事業所の売上』総務省統計局　経済産業省大臣官房調査統計グループ
『労働力調査』総務省統計局
『わが国の自動車保有動向』自動車検査登録情報教会

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ビ・ハイア株式会社 平田悠貴
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