2015.12.28
アニメ会社、ゲーム会社の人材は何故辞めてしまうのか??国のデータから見る「人材が辞める理由」
2015年もそろそろ終わりです。今年も去年に比べ多くのお客様から人材のご相談を頂きました。人材を必要とする理由として「会社の拡大のために」というものも随分ありましたが、やはり多かったのは「人材が辞めてしまうから」というものでしょう。退職はどの会社も抱える悩みです。人材にはできる限り辞めて欲しくないもの。私達も求人広告というビジネスを行ってはいますが、基本的に「辞めないための採用」を行うように心がけています。
そんな私達にとって、厚生労働省のデータはかなり貴重です。例えばつい2日前の12月24日には、こんな調査結果が発表されました。
これはアニメゲームマンガ業界だけでなく、日本全体の転職者について書いてあります。とはいえ転職者の転職理由はどの業界もそう偏りはありません。このデータは男女で別れていますが、どちらも「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」という理由は高い確率となっています。男性の20代後半は一瞬「給料等収入が少なかった」という理由が労働条件を越しますが、それを鑑みても「会社の環境に不満があった」というものが男女ともに大半を占めるようです。女性の「結婚・出産・育児」ですら「給料+労働時間への不満」とは大きな差が出ています。こう見ると人材側が辞めてしまう理由は「職場への期待が外れたから」というものが最も多いことがわかります。
私達は求人広告会社として「より良い転職」「より辞めない求人」をモットーに仕事をしています。人材側が転職語に後悔しないよう、採用した側もミスマッチに苦しい思いをしないことこそが重要です。もしミスマッチな人材が入ってしまった場合、ただ辞めれば良いという話ではありません。一度入った後の影響は必ず社内に波紋を呼びます。結果的に1名の人材が辞めたことが会社全体にマイナスの影響を与えることも少なくありません。中にはミスマッチながらも変に優秀な人材が入ってしまったことにより、会社全体が乗っ取られるという例も・・・残念ながらよく聞く話です。
こうした事故を防ぐためにも大事なのは、求人段階でウソをつかないことです。例えばこの業界に籍を置いていれば、納品前など必ず徹夜になるほどの忙しさなのは全ての人が把握しています。それでも規定どおりの勤務時間しか表記しないと、必ず「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」という理由でせっかく来た人材が辞めてしまう温床となります。まだそれなら「マスターアップ前は徹夜が続くこともありますが、その代わりにマスターアップ後はそれぞれに休暇があります」等素直に表記した方が良いでしょう。実際、何も書いていないよりも「ここは多少なりとも深夜残業がある」と覚悟して来た人材の方が長続きします。求人に良いことしか書かないと人が来ない、という文化が何となく広がっているため、ウソの求人広告がはびこっているのはとても悲しいことです。
また、最近は求人広告にこういった厳しい条件を書こうとすると求人広告会社からストップされるという例もあります。求人会社として一人でも人材が採用されて欲しいという気持ちは判りますが、これはほとんど「嘘をついて人材を採用してください」という事になってしまい健全な転職とはほど遠いでしょう。私達もかつて大手求人広告会社に厳しい条件を記載しようとした結果「それは掲載出来ません」と止められたことがありました。しかし、仮にそうして人材が採用されても、彼らは私達のことを正しく把握していません。最初からビジョンがずれている状態で何故人材が前向きに働く事があるでしょうか。それは絶対にあり得ません。
そういった様々な状況を見て体験しているため、私達は何が何でも求人広告にはウソを書かないように!とお伝えしています。例えば現在の弊社の求人広告は自社HPを主としていますが、内容としてはかなり赤裸々です。
https://be-higher.jp/staffrecruit/1101/
これらは我々古参スタッフがどんなにビ・ハイアで苦しい思いをしたか、包み隠さず書くコンテンツとして発信しています。正直にどう辛かったか、それでも何故現在在籍しているか、といったエピソードを盛り込むことで、逆に弊社に合わない人材は最初から応募しないようにしています。
もちろん「優秀な人材」は誰でも欲しいですが、「人材」といえど人間です。人間は会社に勤めている時間以外にも自分自身の時間が1人1人あり、その間に考えたり何かを感じたり、大事な物を見直したりしています。「働くスキル」だけを重視した人材採用は大変危険です。理念や考え方が合致する人は、確かに採りにくいかも知れません。しかし、一度見つければその人はそう簡単に辞めません。絶対に辞めない人材を採用するためには、何より正直さを大切にしてください。「前職を考慮して給与を決定します」「和気あいあいとした明るい職場です」という、ありふれすぎた表現は会社を貧しくしてしまいます。求人をするなら赤裸々に!「労働条件」を理由に人材が辞めないようにしてください。
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