2016.05.25

【スペシャル企画】アニメ「うしおととら」EDを手がけるLUNKHEADの小高芳太朗さんにインタビュー!(後編)

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アニメ「うしおととら」EDテーマ「決戦前夜」を手かげている、LUNKHEAD・ボーカル小高芳太朗さんへのインタビュー。前半は、小高さんが持つ漫画への熱い想いを語って頂きました。音楽と漫画という異なったフィールドですが、シビアな環境で個々の作品を作り続けるという点では同じ。また、ミュージシャンや漫画家を目指しても、長年にわたり活動を続けるのは本当に大変です。今も漫画に対して大きな愛を持ち、漫画から様々なモチベーションをもらっているという小高さんは、創作の世界に生きるにあたってどのような思いを持っているのでしょうか。

LUNKHEAD 「決戦前夜」はこちらから!

小高さんに漫画について語り尽くしてもらった前編はこちら

男だけのバンドがやりたかった

jakesha——(ラクジョブ):小高さんは音楽をいつ頃から始めていたんですか?

小高:はじめてギターを触ったのは中2で、バンドを初めてやったのは高校に入ってからです。高校には軽音部も無かったし、エレキギター弾いてるだけで不良だって先生に言われちゃうくらいの田舎だから、遊びですよね。大学だってバンドサークルが死ぬほどある中でデビューできるのは小数点以下なのに、そんな田舎の高校なので、まだプロになろうって発想はありませんでした。

——元々何か作るのが好きだったんですか?

小高:絵を描くのが昔から好きだった。小中くらいのころは漫画家も目指してました。音楽に行ったのは、バンドってものに憧れてて。男だけで青春っぽくワイワイやる感じがやりたかったんですね。だからキーボードやボーカルに女の子メンバーがいるイメージは自分の中に全然無かった。作詞とか歌を歌うとかの前に、何より男だけのバンドがやりたかったんです。

バンドも最初はコピーだったんですけど。ミスチル、イエモン、ラルク・・・あと他の人だとGLAY、LUNA SEA、女の子ボーカルならジュディマリ、相川七瀬・・・ブルーハーツで最初入って違うのに行く人も多かった。他に俺は高2の時にギター担当 THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのコピーバンドを始めて、楽しかった・・・。アベ(フトシ)さんのギター楽しかった・・・・・・!!(浸る)

オリジナル楽曲に目覚めたきっかけ

ファーストアルバム「地図」

ファーストアルバム「地図」

小高:地元(愛媛県新居浜市)は当時ライブハウスがなくて、地元のお祭りで地元の若いバンドがやる路上ライブとか見てました。ビジュアル系の安い、レーヨンで作ったような衣装を着てLUNA SEAをひとしきり演奏したバンドが、「最後の曲です。・・・本当のロックを聴いて下さい。・・・・・・“バードメン”」っていうような。田舎ってそうなんですよ。面白ぇなぁ、ブレブレやん!って思ってた。そういう場所で育ちました。松山まで行けばライブハウスはあったんですが、往復4000円かかるので高校生にはキツい。愛媛で僕達がちゃんとしたライブできたのは、東京でデビューした後ツアーで回った時です。

デビュー時のメンバーも高校の時は皆バラバラにバンドをやってました。高校生だから「こういう音楽をやろう」じゃなくて「バンドやりたい!」で集まると「お前ギター弾けるんだ!」「じゃあお前ドラムやれよ!」「お前ベースやれよ」って寄せ集めになる。しかも皆「俺はイエモンやりたい」「俺はミスチルやりたい」ってやりたい音楽が違うから全部やったりするんです。俺と龍(石川龍:LUNKHEAD初代ドラム)は高一の時からバンドを組んでたんですけど、龍は当時ギターでリーダーだったんで、何のコピーをやるかは彼が全部決めてました。

——コピーからオリジナルに目覚めたきっかけはありましたか?

小高:その当時GLAYの人気がすごすぎて、GLAYやれば文化祭のライブとか盛り上がる。楽器やってる奴はみんなGLAYの演奏やりたいから楽器だけ集めて、ボーカルは下手でも良いから、顔の良い奴を置いとく。

ほんとすごい覚えてるんだけど、(あるコピーバンドが)ボーカルがイケメンなんだけどド音痴だった。客が皆合唱してて、客の歌の方が上手いっていう・・・。すごいんですよ盛り上がりが。なのにすごい歌は下手なんですよ。それで、コピーで盛り上がるのは違うな、と。この盛り上がってるのは、GLAYが偉いんであって、こいつらいっこも素晴らしくないと思って。GLAYが偉大なだけで、ここに何の達成感があるのか・・・みたいな。自分で生み出したものでこの熱狂を味わいたいと思って、曲を作るようになったって感じです。もともと絵を描くのも好きだし物を作るのも好きだし料理も好きだし、自分で何かを作って人を喜ばすのが好きだったと思うんですよ。今も絵とかを描くのは好きだけど、バンドだったから良かったんだと思うんですよね。

DSC09969今後やってみたいアニメ主題歌

——最後に、このマンガがアニメ化したら主題歌やりたいってのはあります?

小高:日本橋先生の作品やれたら冗談ですけどもうバンド解散しても良いな。・・・人生終わって良いなってくらいの気持ちです(笑) 「少女ファイト」が実写化したら使ってもらうのが夢です!

いかがでしたでしょうか。今回は音楽業界へのインタビューという一風変わった企画でしたが、ゲームアニメ漫画業界とは別のフィールドながらもクリエイティブの根底に流れているもの、そこから語られる言葉には共感できる部分が多かったように感じられます。皆さんが今回のインタビューを楽しんで頂けたのであれば何よりです!

今回の「決戦前夜」は、LUNKHEADがデビュー当時から持つ真っ直ぐささと、『うしおととら』主人公のうしおのどんな時も前を向こうとする強さが重なる一曲となっています。今回の曲ももちろんそうですが、LUNKHEADの曲風はいつでも泥臭いまでに前を向こうとする意気に溢れていて「生きる」ということを何より考えさせられます。今回の曲を機に興味が出た、という人はぜひ他の曲も聴いてみて下さいね!(マジで)

jakeshaランクヘッド「決戦前夜」は現在、アニメ「うしおととら」のエンディングテーマとして聴くことができます。クライマックスの展開に寄り添うような気合いの入った1曲。こちらからもシングルをご購入頂けますのでチェックしてみて下さい!

アニメ「うしおととら」公式サイト 

PROFILE

平田 悠貴 ビ・ハイア株式会社副社長

平田悠貴

ラクジョブ運営会社で2番目に偉い人で現場で1番偉い人。東京都在住。学習院大学文学部哲学科出身。ラクジョブはこの平田さんがいなかったらもっと前になくなっていたでしょう。アニメをみて、作画が良いと良く感動して泣きます。