2015.12.26

アニメゲーム会社への求人転職は何歳までがギリギリ?最適年齢を探る!

年を重ねてからの転職は難しい・・・?

年を重ねてからの転職は難しい・・・?


年末年始は転職が多いシーズンです。季節の変わり目、プロジェクトの終わり目・・・ということで人が動きやすいためです。しかし実際転職に向いている年齢は何歳までなのでしょうか?ベテランも多いこの業界ですが、ベテランであればベテランであるほど重宝されるのでしょうか?ちょうど昨日、興味深い統計が発表されました。それが厚生労働省から発表された「平成27年上半期雇用動向調査結果」の概要です。こちらはアニメゲームマンガ業界に限らず日本全体の転職、離職状況についての統計が記載されています。この中には離職の割合と新しい職を得た時の年齢について表した「年齢階級別入職率・離職率」というグラフがあります。

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これによると、男女ともに入職率が高いのは10代を除けば20代に集中していることがわかります。男性の場合は30代以降がほとんど同じで、60代になって少し入職率が上がるといった程度のようです。女性の場合も30代後半で少し数値が上がるものの、ほとんど20代後半以降は下がる一方です。つまり若手の方が転職に有利という事ですね。

因みに求人広告は原則として性別や年齢の制限を設けた記述は禁止されています。「経験○年以上の人材募集」という表記はOKですが「35歳未満募集」など年齢を限定して書いてはいけないのです。その結果、採用担当者が「これくらいの年代の人が望ましい」と目星を付けていても、求人広告上はどんな年齢の人材もOKです!というニュアンスの記事になるわけです。

ものすごく正直な話をしてしまえば、求人広告に掲載されている企業様に「高くても年齢は30代前半までが良い」という声が多いのは事実です。少なくともゲーム業界ならばプログラマーやデザイナー、プランナーなどの現場系スタッフは20代が、ディレクターなどのマネジメントスタッフは30代前半までが期待されています。アニメ業界であれば制作進行は体力的なものも考えて20代の内がピークです。作画スタッフについては、動画マンであれば最初の給与が低い時期でも問題が無いかどうかによりますが、あまり年齢の制限はありません。

現場には若い人材が求められがち

現場には若い人材が求められがち

こういった年齢の問題は、制作・開発会社自身の平均年齢に大きく関連しています。「ガンダムUCとアニメゲームマンガ業界の高年齢化について」にも書きましたが、アニメ制作会社の平均年齢は20代、ゲーム業界も30代です。こういった職場に突然40代後半、50代後半の人が入るという事は、場合によってはその会社で突然最高年齢になりかねません。社長や現場のトップでさえ30代そこそこといった状況の中で、年上の部下を持つプレッシャーは多かれ少なかれあります。結果として平均年齢よりも低い人材を求める・・・というのがアニメ・ゲーム業界の実像です。

それでは30代を過ぎてしまったらもう一気に転職のチャンスは無くなってしまうのでしょうか?募集が減る、採用の確率が低くなるのはデータ通り確かですが、必ずしも40代以降の募集をしていないというわけではありません。年齢層が高めの人材に対して人事担当者がよく語るのは「スキルが伴っていれば・・・」ということです。ここで言うスキルとは「40を超えていても、どうしても欲しい!!と思うような圧倒的な現場スキル」とも言えますが、一方で「マネジメントスキル」を指すこともあります。「圧倒的な現場スキル」と「マネジメントスキル」の両方が備わっていることは当然理想的ですが、そういった人は会社を辞めないか、辞めたとして自ら起業する方が圧倒的に多いでしょう。(コナミの小島プロデューサーの例もこれに当たります)そうなると基本的に必要とされるのはマネジメント力。実際、国のデータを参照してみると、役職などマネジメント職に就くのは男性も女性も40代以降が高い割合を占めています。

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どちらも、厚生労働省「平成26年版 労働経済の分析」より

どちらも、厚生労働省「平成26年版 労働経済の分析」より

また、管理職について「内部育成・昇進を重視」している会社は全体でも3割ほどで、外部からの管理職採用について検討している会社が多いことも見て取れます。

厚生労働省「平成26年版 労働経済の分析」より

厚生労働省「平成26年版 労働経済の分析」より

こういったデータを元に考えると、40代以降で転職を検討する場合は、現場で一度マネジメント経験を積んだ方が有利に働くことがわかります。1プロジェクトを動かすだけでも結構な負担となりますが、その負担を負ってくれる人こそが全ての会社で求めてられているのです。ここでは基本的に「アニメ・ゲーム業界経験者」の話をしていますが、もしあなたが「アニメ・ゲーム業界未経験者」で40歳以上だった場合はそれを逆手に取った転職活動も可能です。品八、マーケティングや経営コンサルティングなどクリエイティブ以外のスキルを売りにするということです。もし現場クリエイターを目指す場合は、フリーランスや、グラフィッカーであれば同人誌等で名前が売れていることなど現場スキルのハードルも高くなりがちです。ですから今までの職歴の中に何かしらゲーム・アニメ業界の「コンテンツ作り」の現場で行かせるものがあるかどうか、一度考えた上で転職活動を検討してみてください。

高年齢でも納得出来る転職を!

高年齢でも納得出来る転職を!

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PROFILE

平田 悠貴 ビ・ハイア株式会社副社長

平田悠貴

ラクジョブ運営会社で2番目に偉い人で現場で1番偉い人。東京都在住。学習院大学文学部哲学科出身。ラクジョブはこの平田さんがいなかったらもっと前になくなっていたでしょう。アニメをみて、作画が良いと良く感動して泣きます。