2015.12.12
ゲーム業界 人材採用 女性の働きやすさについて考える
かつて、ゲームアニメマンガ業界合コンをやろう!!という企画が弊社内で立ちあがったことがありました。幹事は何を隠そうこの私です。知らない人達で開くよりは・・・と、まずは取引先の方に一斉メールで声をかけました。その結果どうなったと思いますか?10名×2回開催で予定を組んだのですが、どちらも女性は2名ずつしかあつまりませんでした!仕方が無いのでアニメゲームマンガ業界以外の女友達を連れてきて開催しましたが・・・男性参加希望者のメールが山の様に送られてくる一方で女性の少なさ・・・・・・何故なんだろう・・・・・・と思ったところで気づきました。女性はそもそもこの業界に少ないのです。
去年のCEDECでは「ゲーム業界は本当に女性が働きにくいのか?」
(http://gamebiz.jp/?p=134289)という画期的なプレゼンが行われています。
ここで明らかになっているのは「ゲーム業界の女性就業比率は12%」という驚くべき数字です。先述の合コンを希望した女性の比率も2割行かないくらいでしたから、この数字にはかなりの説得力があります。引用したこちらの記事だけでもかなりの読み応えがありますが、求人サイトとして女性の働き方、女性の長い働き方について、ここではご案内致しましょう。
少し古いデータですが、比較のために用意するとこんなのがあります。
「保育所」,「幼稚園」,「生命保険業」では女性従業者が8割以上を占める
http://www.stat.go.jp/data/jigyou/2001/topics/topi0924.htm
女性の働き先としてゲーム業界はどうなの?
そもそも12%しか女性のいないゲーム業界。あまり女性向けの福利厚生を重要視しまくってます!!という会社は少ないのが現状です。また、福利厚生や仕事復帰のための手当がしっかりしていたとしても、皆さんが休んでいる間に会社はその分仕事が進められなくなってしまうわけですから、現在のように最新情報が常に更新されているゲーム業界では女性の確保に積極的な会社は少なめです。先日も、女性社員が8割を超える某乙女ゲーム開発会社で、「とても優秀な女性が多いのは嬉しいが、27歳くらいから30代前半の間に産休や妊活で長期の休職や夫の要望で辞職をしてしまう人が最近増えてしまった。」という悩み相談を受けました。この会社は産休後復帰についても力を入れているのですが、スタッフの年齢が近いために、ある時期(20代後半になる頃)突然まとまった人数が辞めてしまったり休んでしまったりするリスクが高いという事に困っていました。
ゲーム業界は女性と男性で年収の差があるという事はありません。女性だからと言って重要職に就かせて貰えなかった・・・という話もありませんし、どちらかというと「女性向けゲームを作りたいので、どうしても女性のディレクターが必要なんです」「アプリコンテンツを作る上で女性のお客さんが喜ぶようなデザインを作って欲しいんです」というようにポジティブな意味合いで必要とされることの方が多く思えます。先日別の記事にも書きましたが、ゲーム業界の各職種別平均年収は次の通りです。
ゲームプログラマー 316万〜508万
サーバーエンジニア 318万〜556万
2DCGデザイナー 289万〜420万
3DCGデザイナー 330万〜673万
プランナー・ディレクター 290万〜
アートディレクター 312万〜
ゲームディレクター 650万〜
ゲームプロデューサー 700万〜
ラクジョブ会員を調べると、プログラマーやエンジニアとして会員登録している人は1割以下。ほとんどいません。他にも3DCGデザイナーやプロデューサーには少なめです。しかしプランナーや2DCGデザイナーといった職種では女性の希望者も3割ほどに増えてきます。そう考えると女性としてこの業界で活躍することは、最低290万〜400万ほどの年収が見込めることとなります。また、ここには記載がありませんが、女性の応募が多い職種「事務・経理」職も年収としてはあまり変わりません。日本全体の、働く女性の平均年収は306万円(平成26年版働く女性の実情 厚生労働省)となっているため、最高年収と合わせて平均を取ったとしても日本全体の女性の平均を少し上回っていることになります。しかし、ゲーム業界の女性が5年以上就労を継続する割合はわずか5%。これにはいくつか理由がありますが、やはり「しばらく抜けてしまうだけでキャッチアップ出来ないほど流れの速い業界だから」と言えそうです。
その一方で女性の復帰に積極的な会社もあります。それはやはり何より女性向けコンテンツに力を入れている会社。先ほども書いたとおり「女性ならではの視点が欲しい」という会社は必然的に女性の採用が増えます。そうすると必ず女性に対する福利厚生について考えることになります。女性でありゲームの開発も関わりたい、という場合は、まずその会社のコンテンツを見て、女性向けのものを長く開発していそうかを見極めて下さい。これから始めそう・・・という場合は女性スタッフが少ないパターンが多いので注意が必要です。ゆくゆくは結婚もして家庭も持ちつつ仕事を進めたい、という確固としたビジョンがあるのであれば、こうした会社の背景は重視するようにしてください。
◆女性募集!とは書いてはいけない
最後に、これは意外と知られていないのですが、求人広告などで年齢、性別を規定した募集はよっぽどの場合を除き法律で禁止されています。そのため「女性を積極的に募集したい!」という会社でも、表向きは女性の募集と明記しない場合が多々あります。代わりに意図的に女性の写真を多くしているなどの求人もありますが、もしも不安な場合は応募して面接などの際に女性の社員数等を聞いてみて下さい。もっとゲーム業界で活躍する女性が増えますように!