2016.01.21

ゲーム業界 就活 「自己PR」って何を書けば良いかわからない人へ!

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こちらの文章は、ゲーム業界に新卒で入社しようと考えている方向けのコンテンツです。転職希望の方も参考になるかもしれませんが、基本は学生さんやこの業界未経験者の方にご覧頂ければ幸いです。・・・さて、就職で一番面倒な部分は、様々な「答え」を用意することでは無いでしょうか。志望動機、自己PR、こういったものを会社ごとに用意して何度も話すのは正直大変。「ウケる自己PRの書き方」なんて本やウェブサイトは山のようにありますが、アニメゲーム漫画業界に特化した自己PRの書き方はそう多くないので、こちらでも取り上げます。ラクジョブから応募する際のエントリーシートにも「自己PR」の欄はあるため、どうぞ参考にしてみて下さい。

Fotolia_74571131_Subscription_Monthly_Mそもそも自己PRには意味が無い?

さて、自社でエントリーシートまで用意しておきながら何ですが、「自己PR」はほとんど意味がありません。少なくともあなたが新卒なら、あなたが書くような自己PRは9割方意味がありません。それが世間の「自己PR例文集」を元にしているのであれば尚更です。そもそもアニメやゲームの業界が「きちんとしたスーツを着込み就活する」という世界になったのはつい最近の事です。ソーシャルゲーム系SAPであれば少し事情は違ってきますが(これは後述します)、基本的にゲーム開発会社で社長をしている40代以上のクリエイターさんは、今の就職活動事情とは全く違う形で業界に来ているのです。

彼らは大抵「過去にプログラミング投稿雑誌にいくつも投稿してたらスカウトされた」とか「まだ××というメーカーが小さかった頃、バイトから入ってそのまま入社した」みたいな就活(?)をしてきており、ゲーム業界なんて先のしれない危ない業界・・・!と、今以上に親に危ぶまれながら仕事をしてきました。そんなベンチャー精神逞しい頃に皆さんと同じ青春時代を送った方々ですから、保守的な今の就活スタイルに関して「面接じゃよくわからない」「結局スキルを見てしまい、内面がわからない」といったご意見をよく伺います。彼らがゲーム業界に足を踏み入れたときは、とにかく勢いと情熱で気づいたら始めていた、という状態だったのですね。業界の黎明期だからこそできた荒技です。

今はそういった荒技はできませんが、代わりにそういった「情熱で業界に入った人達」の心と同調することはできます。正直言ってゲーム業界は、向こう100年どころか10年だって安心かわからないギャンブルな業界です。今から10年前にはソーシャルゲームがここまで発展すると思われていませんでしたし、これから10年先に何が始まるか、または終わってしまっているのかも、誰にもわかりません。でもそんな業界でゲームを作りたい!というあなたの気持ちが本物なら、自己PRは飾らずに「とにかくゲームが作りたい」という思いをぶつけることが、クリエイターの心に響く第一歩です。

Funny and crazy man using a computer情熱の裏付けを作る

・・・とはいえ、「とにかくゲームが作りたい!ゲーム大好きです!!」というアピールは正直あまり効果がありません。そういった「情熱だけなら誰にも負けません!」というアピールは必ず全員がしてくるからです。情熱を証明するためには裏付けが必要です。このスキルは社会人になってからも、企画を通す際や営業が必要な際に役立ちますので今のうちに身につけておきましょう。

情熱の裏付けとしてわかりやすいのは「数」です。例えばあるゲーム会社では、面接で必ず「スマホのホーム画面を見せてください(渡してください、ではなく面接官に見せる)」という質問がありました。これは、スマホのホーム画面にいくつゲームがインストールされているかを確認するためです。さすがにちょっとびっくりしますが、ここまでしなくとも「今ゲームはいくつインストールされていますか?」「どのゲームを遊んでいますか?」という質問は一般的によくされるものです。

この時、普通に良く遊んでいるゲームだけの話をすると、あまり高評価は得られません。なぜなら企業側が欲しいのは「特定のゲームが好き」な新人では無く「ゲームというビジネスが好き」な人だからです。つまり、ここで好まれるのは「ありとあらゆるゲームを研究するために、海外含む各国のゲームを遊んでいる」とか「とりあえずトップ50まではインストールしている」とか、こういった「ゲームへの情熱」がわかるエピソードです。ゲーム業界への自己PRとは本来こうであるべきで、「私はサークルの部長を務め・・・」といったものは正直ゲームと何の関係もないため、ハッキリ無視されるのです。「自己PRは意味が無い」というのがご理解頂けたでしょうか。

ビジネスマン同士の握手ソーシャルゲーム系SAPへは「無難な自己PR」が良いのか?

さて、ここまではいわゆる下請け系開発会社への就活に関するお話でしたが、少しだけ注意が必要なのがソーシャルゲーム系SAPさんです。こういった会社さんは元が広告代理店だったり、社長がそういったウェブビジネス出身だったりということがあるため、どうしても先ほどの会社さんの例に比べ「IT企業らしさ」が入り込みます。すなはち「ゲームへの愛」だけでなく「ビジネスへの興味」をどれだけ持っているか、ということです。

こういった会社の場合はゲーム愛を訥々と語るのも悪くありませんが、自分がチームワークの中でいかにきちんと動けるかなどもアピールする必要があります。しかしやはり「私は一言で言うと××です」「私は学生時代、サークルの部長として・・・」「私の強みは〇〇です」といった形式張った自己PRは、ソーシャルゲームのSAPでなくとも聞き飽きる「わざとらしい」言葉ですので、控えてください。あなたが何故ゲーム業界をわざわざ選ぼうと思ったのか、もしその理由が金銭なら、それでも良いですから出来る限り本音を話してください。本音は自然と情熱が籠もるものです。ゲーム業界なんてユニークな業界で働くのであれば、あなた自身の個性を最初から出さないと勿体ない。どんな事へも、どうか本音で向き合うようにしてください。

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PROFILE

平田 悠貴 ビ・ハイア株式会社副社長

平田悠貴

ラクジョブ運営会社で2番目に偉い人で現場で1番偉い人。東京都在住。学習院大学文学部哲学科出身。ラクジョブはこの平田さんがいなかったらもっと前になくなっていたでしょう。アニメをみて、作画が良いと良く感動して泣きます。